こんにちは。7月に入って俄然夏の本気に晒されている気分です。
6月の読書メモは、少し多い目。頑張って読んだ本もあれば、一気に読み切った本もありました。
よろしければご覧ください。
『タコピーの原罪』タイザン5、集英社、2022年。
相手を幸せにするためなら何でもしてあげたい、という気持ちから生じたディスコミュニケーションが主題だと感じた。
久世しずかの生活描写は気が重くなり、読み進めることが苦しく感じられたが、全2巻ということもあって最後まで読めた。
久世しずかをひとりぼっちでなくしたのはタコピーだったけど、久世しずかが欲しがる描写になっていくのは、かなりしんどかった。
しずかやまりな、東くんが、大人になってくれることを著者もタコピーも祈っていると感じたけど、何もしてあげられないし、自分の未来は自分でつくるしかないのだなと思った。(環境をつくる、あるいは変えてみることくらいはできるかもしれない)
『違国日記①~④』ヤマシタトモコ、祥伝社、2017~2023年。
姉の「朝」という名の子どもが親を失い、妹の槙生が「朝」を預かることになって始まる共同生活を描いた作品。
するする読み進めたのは、登場人物たちの台詞がとても自然に読めたからかもしれない。
特に槙生の台詞には、共感というか、私もそう思うだろう(槙生のような立ち振る舞いはできないだろうけど)という感覚があった。
①~④を読んで感じたのは、この作品でも思い込みや捻れて伝わってしまう、ディスコミュニケーションが題材なのかなと。
早くつづきというか、おわりまで読みたい。
『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』谷川嘉浩、筑摩書房、2024年。
コミックやアニメを引用しつつ、ポップな話題で序盤を読み進めた。
書籍の構成が、自分からすると新しいスタイルのように感じられた。洋書のようでもあり(洋書や海外の事例紹介の引用も多い)、おもしろく感じられた。
内容は、衝動とは何か?、衝動のみつけかた、衝動を生活に実装し、計画的な衝動の行使(?)と、実践できる手助けをしてくれる書籍。
が、著者がいう「強い衝動」ではなく「深い衝動(偏愛)」を見つけ、計画的に衝動を実行するかは、本当に個々人で道を見つけるしか方法がないという印象で、自分が読んできた他の自己啓発系の書籍より抽象度が高いのかもしれない。自分に適用するには、本人がいろいろ試行錯誤の実験をする以外ないのかなと。
割と快適に読める文章が多く、たとえば「偏愛や衝動について考えると、すぐに仕事をイメージするのは現代人の悪癖」という内容は、「そうだなぁ、他人よりできる趣味があると、すぐ「仕事にしないのか?」と聞かれるよな……」などとしみじみ思った。
もう少し抽象度が低い内容で読みたい気持ちもあるが、そうなると「内容を安易に分かったつもり」になってしまいそうだし、ギリギリのバランスがこの書籍で形になったのだと思った。
『疲労とは何か』近藤一博、講談社、2023年。
評判を聞いて読んだ。この本を高校生くらいで研究の道を志す人が読むと、進路が決まりそう。大学生でも。
もう年寄りの私が読むと、著者が出会えた素晴らしい発見の世界を大きな物語として読めたことに、ただただ感心してしまった。
内容は疲労の定義から始まり、疲労と疲労感の違い、生理的疲労と慢性的疲労など、疲労の基礎知識からどういう原理で疲労が発生しているかなど、さすがブルーバックスという内容で素晴らしい。生物学の基本的な知識は必要になると思うが、調べながらでも読む価値はあると思った。
慢性的疲労の解説の後に、うつや新型コロナ後遺症から生じる疲労の話につながってゆき、こういう発見があるのは疲労大国というか疲労先進国日本ならではかもしれないと感じた。
疲労感の低減ではなく、疲労を減らせる新薬ができると良いなと思う。
『ソール・ライターのすべて』ソール・ライター、青幻社、2017年。
読後、なぜもっと早く読まなかったのか?という気持ちになった。
ちょうど新型コロナウイルスが拡大していた頃に写真展が開催されていて、観に行きたかったがあきらめたこともあり期待して読んだが、期待以上の写真そして短い文章がとても良かった。無名でいられることの良さ、遠くへ行かずとも写真は撮れることなど、頷ける内容がたくさん書かれていた。プリント見てみたかったな。
『人との距離を、整える』主婦と生活社、2022年。
他人との比較がしやすい時代だからこそ、そんなに簡単にはいかない人付き合いに悩む人向けのムック本、コラム集という印象。私より年上の人向けかもしれない。
藤田一照、石井ゆかりのパートが個人的には気に入った部分。巻末の前田利惠子の部分だけ読んでも、この本を読みたいと思う人の処方箋にはなると思う。
おわりに
これから夏本番ですが、読書が増えるのか減るのかは分かりません。
まだ夏バテになっていないので、体調維持しつつ来月も読書メモを書けると良いなと思っています。
ではまた。


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